日本人であることに誇りを持てる日本を後世に残したい。 そのために、世界屈指の品質を誇る農産物と、その生産技術、 そして農業の枠を越えて、家業・伝統産業を守る活動をしている。
宮治家の農業を継ぐ4代目の勇輔は、実家に戻り農業に携わることでその素晴らしさに感動した。 農業は理想の生き方を実現できる。問題は生計を立てられるか。 都心で働く農家のこせがれが、ビジネスノウハウとネットワークを実家に持ち帰り、 先代の農業技術と経営資源を融合させることで新たなビジネスモデルを創る。 それが日本の農業を後世に残す最善の方法と考え、農業の魅力と可能性を伝えるために 「農家のこせがれネットワーク」を設立した。 全国から集まる都心で働く農家のこせがれ(農家の後継者)を集め、 実際に都心で働いていたが実家に戻り活躍している農家を繋ぐことで、 農家のこせがれが抱える悩みや課題の解決につながった。
画期的な取り組みを様々実施し、一定の成果を収めた農家のこせがれネットワークの活動。 全国にも多様な農業の集まりが誕生し、SNSで情報交換もしやすくなった。 そこで2014年、ゼロベースで農業界最大の問題は何かを考えた。 たどり着いたのが農家の事業承継問題だった。 事業承継問題を解決する上で課題になるのが、 「お家騒動」「世襲」に代表される家業へのマイナスイメージ。 「家業を継ぐ」ことへの価値に気づくことができなければ事業承継はされない。 また、家業特有の問題に悩んでいるのは農業界に限ったことではない。 業界や地域に関係なく、家業の後継者は問題を共有し解決できる場を求めている。 業界の枠を取り払うことで問題解決が進み、化学反応が起きることもある。 農家のこせがれネットワークでの知見を活かし、 協力者と共に「家業イノベーション・ラボ」を設立した。 家業を盛り立てることは地方創生の一丁目一番地だと考えている。 そして、短期的な利益を追う必要がない家業は非常にものづくりと相性が良い。 日本の本当に良いものを次世代に繋いでいくために、 家業を元気にする活動を行なっている。